「誰かより優れたものが欲しい」。
この思いがわたしをどん底へ連れて行った。
……
「書くこと」。これが神様に与えられていると信じて、ブログも始めた。
でも最近、「もっと書ける人たち」を知る。
沢山の言葉を知っている。文章が得意。あるいは、誰がどう見ても圧倒的なイメージやセンスがある。
わたしは何も持っていなかった。
「もっと書ける人たち」のすごさに圧倒されると同時に、能力のない自分の存在価値を問うようになった。
神様から与えられていると思っていた(はず)の「書くこと」さえ、こんなにも何も持っていない。
夫のお弁当に入れる卵焼きを焼きながら嗚咽する。
夫の妻であり、息子たちの母であることしかわたしにはできないのか。
なんて能力のない人間なんだ。
最近は、卵焼きを焼くことさえめんどうで煮卵ばかりだったが、でも今日くらいはと思った。
卵焼きぐらいはつくれる、と自分を鼓舞するためだった。
誰かよりも優れた能力を。
自信を持って、「私にはこれができます。これなら得意です。」というもの。
それがあれば、確信と自信を持って大胆に前に進めるのに。
信仰で始めたはずの「書くこと」も、いつしか「誰かよりも優れた能力」でやりたくなってしまった。
……
しばらく、このどん底から抜け出せない日々。
いや、抜け出す道を知っていながらも、どん底にいることを選ぶ日々が続いた。